さすがは「動く美術館」、動物尽くしといってもよいほどで、昼間にじっくり見て歩くと楽しいです。さながら「動く動物園」。
とてもすべては掲載しきれませんが、いくつかご紹介します。
月鉾
祇園祭の山鉾のなかでももっとも美術的価値が高いといわれる月鉾。たった一部分を切り取っただけでも、たくさんの動物の彫刻を見ることができます。
屋根にカラス(八咫烏)がいて、破風には「波に兎」、その下には金色の馬とたくさんの貝が彫られています。
波に兎は有名な左甚五郎の作と伝わっています。
反対側の兎はふりむいていて、その下は馬ではなく亀。ウサギとカメ。
見送にはたくさんの種類の鳥。その上には龍や麒麟。
長刀鉾
どの年でも必ず巡行の先頭を行く長刀鉾。サイドに見えるのは麒麟と虎と獅子。屋根の上には鯱が飾られています。
お城のシャチホコは向かい合いますが、長刀鉾では逆向きです。
船鉾
珍しい船型の船鉾。船首には鷁(げき)と呼ばれる瑞鳥。
大舵には飛龍(翼を持った龍)。まわりにも金の飛龍の彫刻がたくさん。屋根の上にもシャチホコのように飛龍がついています。
麒麟もいます。
鶏鉾
鶏鉾のお稚児さん人形のかぶっている冠の真ん中には雄鶏が乗っかっています。お稚児さんの上にかかっている天水引の絵は麒麟。
下水引は「春秋蝶図」で、たくさんの蝶々が飛んでいます。
函谷鉾
函谷鉾の下水引は「群鶏図」。たくさんのニワトリがぎゅうぎゅう詰めに織り出されています。天井軒裏にもニワトリが描かれています。胴掛にはかわいらしい虎や獅子。
大きな金具は蝶々。
「エジプト天空図」見送の裾金具はしっかりエジプト調。スカラベや鷲。
放下鉾
逆さミッキーマークの放下鉾。破風正面には3羽の鶴。見送はバグダードを飛ぶ二羽の白いフクロウ。
菊水鉾
菊水鉾の胴掛や前懸見送にはキリン・龍・鶴・孔雀など動物尽くし。麒麟ではなくてキリン。けっこう悪い目付きをしています。
唐破風屋根の内側には金の鳳凰。
龍の前懸。
孔雀の見送。
鯉の見送。
岩戸山
ひさしの裏側にはセキレイが描かれています。その下には龍あるいはヤマタノオロチ!木賊山
大切な我が子をさらわれて独りトクサを刈る翁が、木賊山のご神体となっています。水引には鳳凰が見えます。
欄縁金具は、金色の雲のあいだを黒い蝙蝠が飛ぶというセンスあふれるデザインです。
蟷螂山
蟷螂山はカマキリの山。まわりには龍や鴛鴦も。鯉山
鯉山には大きな木彫りの鯉。この鯉は1.5mもあり、左甚五郎の作といわれています。八幡山
八幡山の赤い鳥居の上にはつがいの鳩。芦刈山
アヤメの胴掛が美しい芦刈山。欄縁には連なる雁の錺金具。孟宗山
孟宗山はラクダの胴掛が見事。「砂漠らくだ行(月)」。反対側は「砂漠らくだ行(日)」。欄縁には彫金群鳥図があります。
(追加します)